臨床分子栄養医学会で犬猫の栄養セミナーしました!

先日の5月28日(日)の10:00〜「健やかに生きるための犬猫への栄養アプローチ」というタイトルで臨床分子栄養医学研究会でセミナーをさせていただきました!

普段は所属しているお医者さま、スペシャリストの方々から分子栄養学の講義を受けているのですが、今回は獣医師で変わった経歴を持つ私に、犬猫の栄養学についての講義依頼がきて、開始までドキドキの日々でスライドを準備していました(笑)

セミナーで伝えたかったこと

犬猫の栄養学を伝える上で、ぜひ知ってほしいことが、かつてのヤマネコやオオカミから今のペットへの体になるまでに品種改良が彼らに与えた影響です。

今のペットたちは、野生時代の犬猫たちと違う部分があります。

例えば、手足が短くなった、鼻が低くなった、立ち耳が垂れ耳になったりと、体の内側から変化しています。この体の構造に関わるのが、コラーゲンです。

コラーゲンの発現をあえて抑えることで、人と一緒に暮らす上で人間には好都合になりましたが、代わりに病気にかかりやすくなったリスクもあります。

このあたりの説明を、今通学している日本獣医中医薬学院の校長先生はじめ、大学と共同して研究されている先生方から資料を提供してくださり、今回セミナーにご参加いただいた飼い主さんにお伝えすることができました。

解剖学から犬猫の食性を考える

一昔前までは、ねこまんまという言葉があるくらい、猫にご飯をメインとしたご飯を与えている時期がありました。

でも、これは猫の解剖学的な口、胃腸の構造から言うと、相当負担がかかっている食事です。

なぜなら、猫は完全な肉食動物だからです。

健康な猫には、数%の糖質を与える、もしくは全く与えなくても全然大丈夫。タンパク質と脂質からエネルギーを作り出すことがメインの動物だからです。

犬もベースは肉食ですが、猫よりは糖質の分解が多少できますが、国際的なペットの栄養学基準であるFEDIAFやNRCなどでは成犬は、糖質の基準値がないくらい彼らにとって重要ではありません。

つまり、犬にとっても糖質の多い食事はすぐに体には現れなくても、年齢を重ねるごとに不調の原因になる可能性があります。

もちろん、糖質の代謝能力が高い犬猫では、糖質が高い食事を与え続けていても全く問題なく、長生きする子もいます。そこは個体差があります。

ただ、本来の犬猫の適した食事を知って与えるのか知らないで与えているのかは、大きな違いがあります。ぜひ、解剖学から知っていただき、参加者の方々に腑に落としていただきたいポイントとしてお話しました。

ペットフードか手作り食か

さらに、フードについてもお話しました。

彼らの解剖学的な食性を知っていただいた上で、ベストは手作り食です。

一般的なドライフードでは、良質なタンパク質と脂質を主原料にすると、ものすごいコストがかかります。

かと言って、手作り食も目分量や飼い主さんの独自のスタイルで作ってしまうと、非常にアンバランスな面も出てきます。

例えば、ヨウ素やビタミンDなど過不足が起こると、病気につながりやすいビタミン、ミネラルを意識しないで与えてしまう。内臓を入れずに、スーパーのお肉だけのタンパク源にしてしまう。

犬猫のカルシウムの要求が高いのに、骨や卵殻パウダーを入れないことも、後々の不調を引き起こしやすいアンバランスなお食事になってしまいます。

その他にも、犬猫には食べ物からしか摂取できないアミノ酸やビタミンがあります。

食べ物は体を作る基本。そして、どんな食事を選ぶのは飼い主さん。

飼い主さんが犬猫に必要な食事を学び知ることは、ペットの幸せに直結すると私は思います。

ペットフード、手作り食どちらであっても、一般的に正しいと言われているお食事が、飼い主さんのライフスタイルに当てはまらないケースもあります。

ベストな食事は、いいとこ取りしながら作り上げていきましょう!

ペットの立場に立って考える

最後に、食べなくなった時のペットへの対処法についてもお話しました。

気持ち悪いペットに、無理矢理食べさせるのは、ある意味とても辛い行為です。

でも、飼い主さんのペットへの不安が勝ると、「なんとしても食べさせなきゃ!」と躍起になってしまう。

食べない選択もある。

難しいかもしれませんが、その視点を持つと、「〇〇しなきゃいけない!」を手放せて、よりそのままのペットを受け入れることができ、気持ち的に楽になります。

飼い主さんの思考や体の状態で、ペットライフの幸せ度が変わる!そんなお話をしました。

まとめ

今回のセミナーでは、栄養学的な面しかお話しませんでしたが、中医学や心理学についても時間があれば、もっと伝えたいことがありました。

これらの知識を飼い主さんが持てば、獣医師に頼らずとも、我が子の様子を見て未病対策ができるからです。

私のこれからの活動は、ペットと飼い主さんがお互いに信頼し、強い絆をつむぐこと。

そのために飼い主さんに知ってほしいことをどんどんシェアしていきます(^^)

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1人でも多く幸せなペットと飼い主さんが増え、笑顔が広がりますように。

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