今まで飼い主さん向けのセミナーをメインで行っていましたが、
5月に初めてリクエストをいただき、獣医師に向けてオンラインセミナーを開きました!
テーマは「腫瘍の栄養アプローチ」
なぜ、このリクエストが多かったかというと、
犬猫の死因No1が悪性腫瘍、癌であること。
そして、
一般的な町の動物病院のお医者さんは栄養学についてあまり知る機会がないからだと思います。
私は大学卒業後に町の動物病院に就職して、6年間かなり忙しい日々を送りました。
今のように働く体制がそこまで整っていなくて、有給休暇を消化することは論外、
休日に入院している担当患者の様子を心配で見に来たり、夜は当直や電話当番がありました。
昼はいろんな症例が来て、夜は事務作業や症例の治療方針を立てたりと、とにかく代診時代は
時間の余裕が全くないんですね。
これは1人で経営されている獣医師の方でも同じ現象が起きると思います。目の前の患者さんでいっぱいいっぱいなんですよね。
それでも、隙間時間や休日にセミナーでアップデートしていましたが、それは病気についての勉強で、栄養学は優先順位が低かったです。
それは、病気を治す上で栄養学が大切だとは大学で習っていなかったから。
そして、栄養学は動物病院においては、便利な処方食で事が足りていたからです。
でも、自分の愛犬が病気になった時に、処方食を食べない事態がおこりました。
その時に、何をあげたらわからない。
食べないペットを持つ飼い主さんにも、確信を持っておすすめできるものがなかったことに気づきました。
話を本題に戻すと、悪性腫瘍や癌の子たちは、いわゆる栄養失調で亡くなることが大半です。
癌が悪化して亡くなるというのはまれ。
脳腫瘍や心臓の腫瘍ならあるかもしれませんが、犬猫でそこまで多くないですし、臨床現場では安楽死も選択肢にあげられます。
悪性腫瘍や癌の子たちが、QOL、最後まで穏やかにすごすためには、栄養管理がなによりも大事です。
でも、臨床現場で日々症例と向き合っていると、動物の栄養学について一から学んでいる先生は非常に少ないと思います。特に日本では。
幸い私は、自分や子どもの体調がイマイチなこともあり、今から10年くらい前から分子栄養学の勉強を始めていました。
栄養学を勉強すればするほど、体の健康状態にはかかせない学問です。
これは人だけでなく、犬猫にも当てはまると思いました。
今回は実際に病院にくる悪性腫瘍や癌の子に対して、忙しい先生方が簡単に実践できて、飼い主さんも取り入れやすい方法を約1時間のセミナーにしてお伝えしました。
内容
・悪性腫瘍と癌の体でのメカニズム
・代謝の変化
・体の変化
・悪液質の対処法
・食事のバランスと必要な量と水分
・抗癌作用のある食事と効能
・QOLを保つ食事の取り入れ方など
ご感想
お名前:小川晶子先生(神奈川県)
【満足度はいかがでしたか?】
大満足
【内容の難易度はいかがでしたか?】
ちょうどいい
【セミナーを受けてどんなことがよかったですか?】
シニア犬に関係する様々な疾患の食事指導に役立つ情報が満載で、とてもありがたかったです。カロリー計算、飲水量など具体的に覚え直せて良かったですし、オイル・アミノ酸・ミネラル・抗酸化目的などのサプリはどういう子に必要なのか、どうやって摂取すればいいのかを飼い主様に答えてあげられるようになりました。
【どんな人にセミナーをおすすめしたいですか?】
フードを学び直したい獣医師・看護師、意識は高いけれど情報に翻弄されている飼い主様に喜ばれる内容だと思います。
【その他何かあればご自由にどうぞ!】
シニア動物の食事の目標は、サルコペニア・フレイルの予防だと思っていたので、今回は「がんの食事」がテーマでしたが、応用できる情報がたくさんありました。情報がアップデートされたらまた教えていただきたいです。
お名前:前田 智子先生(神奈川県)
【満足度はいかがでしたか?】
大満足
【内容の難易度はいかがでしたか?】
ちょうどいい
【セミナーを受けてどんなことがよかったですか?】
解糖系とか理論的な話は自分は苦手でわかりやすく図解して下さって理解が深まリました
飼い主さんが続けやすいようにという心遣いが素敵だと思います
【どんな人にセミナーをおすすめしたいですか?】
獣医師
飼い主さん
【その他何かあればご自由にどうぞ!】
第2弾もお願いします
そのほか、
・S先生(北海道)
今回は、忙しい中、セミナーと質問回答ありがとうございました。
とても実践的で、すぐに現場で役にたつセミナーでした。
栄養学の分野は、苦手なところだったので、とってもありがたかったです。
腫瘍症例の子が来たら、カロリー計算、飲水量計算をちゃんとやります!
小川先生がリクエストされていましたが、ドライフードについてもセミナーをお願いします。
・T先生(長野県)
先日は勉強会ありがとうございました。今何回も見直して勉強しています。栄養学楽しいですね!
などなどたくさんうれしいお言葉いただきありがとうございました!
もっと自分もアップデートしてより簡潔にわかりやすく獣医師の先生方にもお伝えしていきたいと思いました〜(^^)